ネット上でよく見かける
『ダイヤモンド採掘中にあと一歩のところまで進めて諦めてしまう』画像。
この画像を見て何を思っただろうか。
「継続は大事」
「あと一歩で成功するかもしれない」
と考えただろうか?
その考え、騙されている。
努力や継続に繋げる考えは一見正しそうに見えるが、何が間違っているのか。
この記事で『あと一歩で成功』の落とし穴について解説する。
『あと一歩で成功』画像は情報商材業者にとって都合が良い
『あと一歩で成功』の画像は、一見すると見ている側を奮い立たせ勇気づける画像のように見える。
しかしこの画像で真に利益を得るのは情報商材を売っているノウハウ業者である。
実際この画像を使っているのは大体SEO業者だったり、SNS運用を謳うnote業者だったりする。
情報商材業者が『あと一歩で成功』画像を使って得られるメリットには以下のようなものがある。
- ゴールが見えない事を普通だと錯覚させることができる
- 効果が出ない理由を全て「努力不足」で片付けることができる
- 方針変更した人間にネガティブなレッテルを貼ることができる
ゴールが見えない事を普通だと錯覚させることができる
ゴール直前で諦める画像を見たとき、暗黙的に「ゴールとの距離がわからない」と考えてしまう。
そしてゴールが見えないと、「どこかに近道が無いか」と不安になって情報商材に手を出し、商材のノウハウ通りにやったとしてもゴールが見えていないとただひたすら「頑張る」ことしかできずに時間とお金を無駄にしてしまう。
しかし本当にゴールとの距離はわからないものだろうか。
画像のように土中の鉱脈を探し当てようとしているのであれば、高性能な探知機が無い限りゴールとの距離はわからないだろう。
しかし現実の問題は鉱脈探しではない。
例えばアフィリエイトサイトを作る場合、月に何万円も稼げるようなサイトを作ろうと思うとゴールは見果てぬものだと思うかもしれない。
ゴールは見果てぬものだとしても近づき方はある。
ゴールが遠い場合の対処方法として「小さな目標に分割する」という方法がある。
「月に何万円」の目標を達成するための前段階として、細かい目標を立てていく。
例えば以下のように色々考えることができる。
- 100記事書く
- 収益記事を10個書く
- 集客記事を90個書く
- ASPに登録する
- Googleアドセンスに合格する
- Amazonアソシエイトに登録する
- もしもアフィリエイトに登録する
- 1ヶ月10000PVを達成する
- 特定のキーワードで1位を3つとる
そしてこれらが達成できたら目標のレベルを上げていく。
効果が出ない理由を全て「努力不足」で片付けることができる
『あと一歩で成功』の画像は、成功できていない理由を全て「努力不足」で片付けてしまう。
これは情報商材を売る側にとっては非常に有利に働く。
情報商材を買って効果がでなくても「まだ努力が足りない」とできるし、成功者には「商材のおかげ」と言う事ができる。
失敗の責任は回避して成功の功績だけを得る無敵の方法。
察しの良い方は気づいた方もしれないが、怪しい宗教と同様の手法である。
悩みのある人に教えを説いて入信させ、信者の問題が解決されなければ「信仰が足りない」と言い、問題が解決されれば「教えの効果」と謳う。
どうやっても教える側は負けない無敵の理論である。
無敵なのは教える側であって、教えを受ける側は搾取される羽目になる。
故に『あと一歩で成功』の画像を鵜呑みにすると、「努力不足」を理由に一方的に搾取されることになる。
方針変更した人間にネガティブなレッテルを貼ることができる
『あと一歩で成功』の画像は、方針変更した人間を「ゴール直前で諦めた」とネガティブに表現している。
このことも情報商材の売り手に有利に働く。
このことは暗に、方針転換は悪であり同じ作業を愚直に続けることを善としている。
いつか成功する作業であれば良いが、報われない作業だった場合は時間が無駄になってしまう。
健全な作業サイクルであれば情報商材を買って作業しても、効果が見込めそうになければ別の手を考えるところだが、『あと一歩で成功』の画像は方針転換を許さない。
画像にとっては作業の先には必ず成功が待っており、方針転換は「努力不足」の悪であるからだ。
このように方針転換する考えをいつのまにか塞がれて、購入者はお金と時間を浪費し続けることになる。
『あと一歩で成功』の画像をどう見るべきか
ゴール直前で諦める『あと一歩で成功』の画像を見て「努力、継続が足りなかった」と考えるのは間違いだ。
ではどう見るべきなのか。
それは「作業の効果を評価できないと成功を逃す」である。
画像の例では「努力、継続が足りなかった」ではなく、「目的であるダイヤとの距離を測定できていなかった」ので成功を逃しているのだ。
また場合によってはダイヤとは関係ない方向に掘り進めている場合もあるだろう。
そんな場合もダイヤに近づいているかどうか測定を行い、都度方向転換をするべきである。
具体的にブログ運営では、先に上げた作業目標「100記事書く」を達成したときに、効果目標である「1ヶ月10000PV」を達成できたかどうかを評価する。
- 100記事書く
- 収益記事を10個書く
- 集客記事を90個書く
- ASPに登録する
- Googleアドセンスに合格する
- Amazonアソシエイトに登録する
- もしもアフィリエイトに登録する
- 1ヶ月10000PVを達成する
- 特定のキーワードで1位を3つとる
効果目標が達成できていなければ「記事を増やす」、「キーワード選定の方法を変える」、「タイトルの付け方を変える」などの施策を行って改善を図る。
また検索順位も確認して、低いようであればリライトや関連する記事を増やすなどして順位改善も図っていく。
このように小さな目標を達成できているかどうかを確認しながら改善を進めていくことが重要になってくる。
決して「効果が出ない」→「努力不足」→「鬼努力する」といった方向に進んではならない。
行動を起こすことは大事であるが、方向の定まらない努力は不毛である。