人間の心は自由。
とはいえランダムではない。
自分にとって良い事が起これば喜ぶし、悪い事が起これば怒ったり悲しんだりする。
このような心理のルールを扱っているのが心理学であり、心理学を理解していると人の行動理念がわかるようになるのでとても便利である。
その便利な心理学用語のひとつに「確証バイアス」というものがある。
確証バイアスは「人は自分の見たいものだけを見る」というものであり、知っていると便利に使える反面、知らないと恐ろしい罠にハマる可能性がある。
今回はそんな「確証バイアス」の応用と注意点について解説する。
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「確証バイアス」とは
「確証バイアス」とはバイアスと付いているように考えの偏りである。
人間は暗黙的に「自分の考えは正しい」と思っており、そのため検証を行うときも自分の考えに合致する情報を無意識に集めようとしてしまう。
そして逆に自分の考えに対して都合の悪い情報は目に入らなくなる。
確証バイアス(かくしょうバイアス、英: confirmation bias)とは、認知心理学や社会心理学における用語で、仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向のこと。認知バイアスの一種。また、その結果として稀な事象の起こる確率を過大評価しがちであることも知られている。
「大した病気じゃないですよ」という記事があっても、「もっと悪い病気に違いない」と思って探しちゃうやつ。
「確証バイアス」のマーケティングへの応用
「確証バイアス」は無意識に考えが偏ってしまう危険な現象だが、マーケティング側に立つと応用が効く。
その方法には以下のようなものがある。
ポイント
- 「楽して○○できる」と謳う
- 商品に肯定的な記事を書く
「楽して○○できる」と謳う
どのように応用されているかというと「楽して○○できる」「寝てるだけで○○できる」という宣伝文句がまさに確証バイアスの応用に当たる。
「楽して○○できる」には以下のようなものが挙げられる。
「楽して○○できる」の例
- 好きなものを食べながら楽して痩せられる
- 飲むだけでキレイになる
- 1日30分の作業で月収○○万円
- 勝率97%のFX自動売買ツールで月収○○万円
理屈で考えればこのようなものは存在しないか、世には出てこない。
健康や美容に良い効果が認められているのであれば、国が推奨しないわけがない。
金融取引で利益が出せるツールがあったとしても、利益を独り占めするために公開しない。
簡単に稼げる方法があったとしても、同じ顧客を取り合ったりしたくないので公開しない。
つまり存在しない、もしくは公開されないので世の中には出てこない。
ロジカルに考えれば「甘い話は無い」で済む話なのだが、現実は確証バイアスが絡むのでこうはならない。
情報を探す人の立場に立つと「楽して○○できる」方法は存在する前提で情報を探す。
存在するのが前提なので、「楽して○○できる」に否定的な意見はそもそも目に入らない。
そして検索する際も以下のようなキーワードで検索することになるので、「楽して○○できる」に肯定的な記事ばかり読むことになる。
- 簡単 ○○できる 方法
- 楽して ○○ 方法
- 稼ぐ ツール 無料
集客するマーケティング側に立つと、どんな戦略になるだろうか。
検索で集客したければ読み手の読みたい情報、つまり「楽して○○できる」という甘い話で記事を書く。
そしてSNSで集客したければ「楽して○○できる」系のツイートを定期的につぶやき、商品へのリンクを貼る。
こうすると「楽して○○したい」という考えを持った人たちが勝手に集まってくれる。
引き寄せの法則も確証バイアスの一種
商品に肯定的な記事を書く
商品に対して肯定的な意見を述べるのも確証バイアスの応用のひとつだ。
商品を売りたい側にとって、極端なことを言えば商品が売れる事が第一。
そして商品に関連するページを訪れた人をカテゴリ分けすると3つに分けられる。
訪問者の分類
- 課題の解決方法を探している人
- 課題を解決するのにどの商品を買えばいいか迷っている人
- 特定の商品に興味がある人
上から順に購買を躊躇う障壁が下がっている。
そして「特定の商品に興味がある人」は確証バイアスにハマっており、「買う為の理由集め」をしている状態。
この人に商品を買ってもらう為には、あとひと押しとして商品のメリットを提示すると良い。
「確証バイアス」の注意点
集客に使うには便利な確証バイアスだが、消費者側に立つと危険な現象となる。
確証バイアスの下では、冷静に検証したつもりでも偏った思考で判断してしまうかもしれない。
偏りを完全に避けることはできないが、偏らないように注意する方法はある。
それはどんなに良さそうに見えるものでも悪評を調べてみることだ。
重要な決断(契約、購入、入社など)の前に以下のようなキーワードで検索して、悪評について調べてみる。
- ○○ ひどい
- ○○ 詐欺
- ○○ ウソ
敢えて悪評を読むことで冷静な判断ができるようになる。
逆に気をつけたいのは「悪評を真に受けすぎないこと」。
真に受けすぎると今度は逆側に確証バイアスが働いてしまうことになる。
有名な商品であれば悪評の1つや2つはつくだろうし、むしろ何も無いほうが悪評を揉み消しているのではと勘繰れてしまう。
悪評の真偽については書かれている内容がニュースなどと合っているかなど見て判断する必要がある。
また自分の思考が偏っている可能性は常に意識していた方が良い。
特にネット上のサービスはユーザーの好き嫌いで情報を取捨選択できるので、思考が偏りやすい。
例えばTwitterのフォローの仕組みも、「自分が興味のあるユーザーをフォローする」のが大前提なので、フォローしていった結果自分の思考の偏りがより酷くなる可能性もある。
「確証バイアス」の応用と注意点 まとめ
「確証バイアス」とは人の心理で「見たいものしか見なくなる」偏った心理状態のこと。
集約に活用するには、ターゲットとする読者に対して「楽して○○できる」のような都合の良い煽り文句をタイトルに入れれば良い。
成約に活かすには、売りたい商品を買ってもらうための「最後のひと押し」を記事に入れておくと良い。
商品のオススメくらいはしますが
「ファクトフルネス」とか読んだ方がいいのかな。